95点
1.a genesis of the end
2.TERRORS
3.Imperial Core
4.二つの傷跡
5.DEAR RULER
6.禁止録
7.アナザゲイト
8.残月の灯
9.Lost November
10.an Insanity(Re-recording)
11.EVER
ヴィジュアル系バンドであるDIAURAの1stフルアルバム。
ヴィジュアル系の王道のなんたるかを確信犯的に盛り込んだ楽曲でヴィジュアル系ファンを虜にしているDIAURA。前作のミニアルバムも新人とは思えない余裕を見せつけ、「愚民化計画」の名のもとに精力的なライブやリリース活動を展開していきます。こういういかにもってスタイルはやっぱり90年代の熱狂的ファンの多かったバンド(Dir en grey、PIERROT等)を見てきた人にはウケるんでしょうね。 そして、前作から1年を経てリリースとなったフルアルバムが今作であるGENESISです。今作も相変わらずなヴィジュアル系の模範解答揃いの楽曲オンパレードで、純粋に楽曲のクオリティが高いのはもちろん「この曲はこのバンドっぽいかな・・・」などネタ元を探したり想像したりするとより一層楽しんで聞けるアルバムになっているのではないでしょうか。 ちなみにこちらも現在は2ndプレスが販売されており、2ndプレスは堕落と雨を含めた12曲構成となっています。こちらも管理人は1stプレスの方しか持っておりませんので、今回も1stプレスのレビューになります。 足音とノイズから語りと幻想的なシンセ、打ち込みとギターが期待感を煽るインストの#1.a genesis of the endからシャッフル・リズムを取り入れたメロディアスナンバーの#2.TERRORSへ。どことなく初期〜中期のDespair's Rayっぽい洋楽のへヴィロック的な質感を放っていますが、サビメロは相変わらずメロディアスですね。このサビメロはどことなくPIERROTっぽい印象です。ちょっとピュアな王道からずれた曲のため一発目でこれというのは少し意外なところですが、これはこれでいいんじゃないでしょうか。 #3.Imperial Coreは耽美なピアノ音からチャカチャカと走り出すコテ系の王道なメロディアスナンバー。この所々挟まるピアノがダークで耽美な質感を出していて秀逸ですし、サビメロもシリアスかつ王道なメロディアスさとお手本のような過不足ない無駄のなさが光る楽曲です。管理人的にサビメロのyo-kaの裏声が特にツボです。#4.二つの傷跡はサビから始まるクリーンなギターとタメの効いたバンドサウンドがこれまた王道なメロディアスナンバー。特にこの適度にチャカチャカしたギターが懐かしさ満載で、初期のLUNA SEAやDir en greyっぽい質感を放っていていいですね。ギターソロも結構ピロピロしながらもメロディアス重視で好印象です。 #7.アナザゲイトは北欧メタルなシンセとへヴィリフからチャカチャカと走り出すメロディアスナンバー。グロウルとクリーンボイスを交互にかけ合わせながら走り、サビメロはツタツタで疾走してJanne da arcに通じるクサキャッチーなメロディーを聞かせてくれます。間奏はシャウトで煽るパートもありと展開の王道さもさることながらJanne da arc好きな管理人にとってはサビメロがまたツボ以外の何物でもなく(苦笑)、今作では一番のお気に入りの曲です。#8.残月の灯はシンセやピアノが壮大でダークな世界観を演出するバラード。メロディーも程よい哀愁が感じられ、いかにもヴィジュアル系な歌詞とこれも王道以外の何物でもない訳なんですが(笑)、過去のバンドの同系列な曲と比較しても引けを取らない出来栄えだと思いますね。 #9.Lost Novemberは鐘の音とクリアでメロディアスなサビから始まる白系の王道なメロディアスナンバー。最初のサビメロを聞いた時点で管理人は撃沈するほどのツボな曲でして(苦笑)、所々のグロウルの使い方やシンプルなギターソロ、ピアノとボーカルで切々と歌うバックでの語り、ラストのサビメロの転調とヴィジュアル系ファンの心理を誰よりも知り尽くしていると思える彼らならではの佳曲です。#10.an Insanity(Re-recording)は彼らのデモテープ音源の再録で、ギラつきザクザクとしたギターリフと共にアグレッシブに疾走する暴れ曲。グロウルも交えてがなるように歌うボーカルと「オイ!!」と煽るようなパートを挟み王道メロディアスなサビメロへ。最早出尽くした感のある展開の曲ですがサビメロが非常に綺麗で質は文句なしに高いため許せてしまいますし、妙な安心感を覚えます(笑) #11.EVERはキャッチーでメロディアスなサビメロから始まるメロディアスナンバー。疾走感もありますし、90年代でいうSOPHIAあたりのソフビ系っぽいキャッチーさが好き物にはたまらないのではないでしょうか。ラストに相応しいスッキリした曲ですし、こういう締め方も往年のヴィジュアル系らしい手法をそのまま取っていますね。 ほとんどの楽曲に最早出尽くしたかのような古臭さを感じるもののそのクオリティは当時のバンドと比較しても勝てるんじゃないかと思うほど高く、非常に純粋で高品質なヴィジュアル系ロックを堪能できるアルバムになっていますね。ここまでヴィジュアル系を、往年のヴィジュアル系ファンが望むものを知り尽くした楽曲を作り続けるバンドを管理人は他に知りません(苦笑) 相変わらずソツがなさ過ぎてフレッシュさを感じさせないのが可愛げない所でもありますが(苦笑)、いくら真似事と言われようとも極めれば本家を超えたと言われる典型ですね。 1stアルバムながら既に完成された、管理人の墓の中まで持っていきたい名盤です。 王道好きなヴィジュアル系ファンはもちろん、特に90年代のヴィジュアル系バンドが好きな方は騙されたと思って是非聞いていただきたい所です。
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